方式・名称  : 損害保険会社の取組み

損害保険会社の取組み

会社・組織方式・名称

対象

時期

特徴
内容
東京海上日動火災保険、東京海上
日動リスクコンサルティング
(TRC)、防災科学技術研究所(防災
科研)
自治体向け水災危険度予測システム

自治体、水害

2021年8月

水害のリスクを予測
防災科研が保有する過去の雨量データや降雨再現期間情報(大雨の稀さ情報)等の自然災害に関するデータを、東京海上日動と TRC が保有するシステム基盤に取り込み開発した。このシステムは、豪雨が発生した際の初動のタイミングにおいて、自治体の適切な意思決定をサポートし、地域住民の被害を最小限に抑えることを目指している。地域住民から得られるSNS情報(写真・コメント等)を AI が解析、リアルタイムで収集する降雨観測結果や地域固有の各種データとあわせてシステムに取り込むことで、浸水被害が発生するエリアを即時に推定し、システム上にリアルタイムで危険度を表示する。
長大、奈良県三郷町、パナソニックシステムソリューションズジャパン、アイサンテクノロジー、損害保険ジャパン自動運転車に搭載したカメラとAI画像認識技術を活用して見守りを高度化する実証事業

自治体、見守り

2021年9月

自動運転車の機能を見守りに応用
自動運転車両に搭載したカメラから、ローカル5Gを活用して高精細な映像をリアルタイムに伝送、AI画像センシング技術・顔認証技術で解析することで、不審者のうろつきや高齢者の転倒、車両ナンバーなどを検知するなど、子どもや高齢者の見守りの高度化を目指す。カメラを固定式ではなく移動体に搭載することで、監視カバーエリアを効率的に拡充する。また、AI画像センシング技術・顔認証技術によって自動見守りすることで、人手不足の問題を解消する。
三井住友海上火災保険、笑農和水門の破損補填

自治体、農業

2021年10月

本来の遠隔操作機能に保険を付加
水田用の自動水門「paditch」を対象にした補償制度を開発した。破損や盗難による被害を補填し、農家のリスクを減らすことで普及を後押しする。paditchは、スマートフォンから水門の遠隔操作が可能。水位を簡単に調整できることから農作業の効率化が図れる。補償は本体購入と同時にセットされ、破損した際には修理費、盗難時には買い換え費用がそれぞれ補填される。
ネコリコ、三重県東員町、JDSC、明治安田生命保険相互会社、明治安田総合研究所電力データとAIによるフレイルリスク検知

自治体、インフラ

2021年12月

スマートメーターのデータより付加価値を生む
高齢者宅の電力データをもとにAIがフレイルリスクや日常生活の変化を検知し、そのレポートを健康増進情報や地域のお役立ち情報と併せ、生命保険営業職員が高齢者宅へ届ける。必要に応じて地域包括支援センターに情報を連携することで、官民一体となってフレイルの早期発見・予防を目指し、フレイルという社会課題の解決とビジネスの持続可能性の両立を図る。フレイルとは、「加齢により心身が老い衰えた状態」のこと。
朝日航洋、損害保険ジャパン、メインマーク・ストラクチュアル・コンサルティング、埼玉大学ICTセンシング技術を活用した災害発生の予兆検知、防災、減災に資する保険商品開発に関する共同研究

自治体、災害

2021年12月

災害発生を予知して、被害を最小限に抑える
神奈川県藤沢市内の法面、急斜面等にICTセンサーを設置し、平常時および自然災害発生時の状態および振動や傾斜などのデータによる災害予兆(異常)を常時計測する。また、災害予兆(異常)が検知された際に、自治体による避難指示や通行止めなどの事前対策の策定や、その事前対策に係る費用等を補償する保険商品の開発を検討する。本共同研究を踏まえて、ICTセンシング技術の活用とICTセンサーから得られたデータと連動した防災・減災に資する保険商品の提供を目指す。
大成建設、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジー、日本信号自動運転移動サービスの実証実験

運輸、車両

2021年12月

車両の自動運転に関する盲点の洗い出し、インフラ側での対応の検討
5Gを活用した自動運転移動サービスの実証実験を西新宿エリアで実施した。5Gを活用し車両と信号情報が連携することで交差点での安全な走行支援を行う。また、道路に設置したセンサーを用いたロータリーからの発進支援、特殊な塗料を用いたトンネル内での自車位置推定支援など、都内初となるインフラ側からの走行支援技術を導入する。さらに、5Gによって大容量の映像データを低遅延で伝送し、複数台の車両を同時に遠隔で見守る実証実験を行う。インフラ側からの走行支援技術と遠隔見守り技術を導入し、「自動運転技術の高度化」と「社会実装につながる事業面の工夫」をテーマとして公道における自動運転移動サービスの実証実験を行う。
エルテス、AIG損害保険IoT活用による早期漏水発見のための実証実験

ビル・住宅

2021年12月

寒冷地特有の事象に対する予防保全
AIG損害保険はリスクデータ分析を行うエルテスと共同で「漏水事故」による被害抑制を目的に、IoTを活用した漏水早期検知の実証実験を北海道で開始した。一戸建・分譲マンションを所有する火災保険の契約者から参加者を募り、無償貸与するスマートセンサーを漏水が懸念される箇所に設置し、事故発生の際に、参加者が事前に登録したスマートフォンに通知がされる仕組み。北海道では漏水事故発生件数が他の地域と比較して非常に多く、本実証実験を通じて、漏水事故の早期発見と被害の拡大防止を図る。
損害保険ジャパン、Tractable(英)AI自動見積システム

運輸、車両

2021年12月

保険会社だけでなく、修理工場にも有効
所定の方法で撮影した事故車両の画像をAIが解析し、修理金額を短時間で算出する。
京成バス、損害保険ジャパン、アイサンテクノロジー、建設技術研究所、埼玉工業大学自動運転実証実験

運輸、車両

2022年1月

車両の自動運転に関する盲点の洗い出し、付加価値の調査
千葉市未来技術等社会実装促進事業の自動運転車社会実装サポート事業の事業計画に基づき、幕張新都心地域において自動運転車の実証実験を行った。使用した車両は埼玉工業大学所有のリエッセⅡで自動運転「Autoware」やLiDAR、GNSSアンテナを搭載している。技術検証項目は、①車両および自動運転技術に関する検証(主にGNSS正確性評価)。②道路環境および交通環境への適応に関する検証(多車線環境下での右左折、幕張新都心地域で恒常的に発生する渋滞区間の対応)サービス検証項目は、①新駅開業に伴う新ルートのニーズ調査、自動運転車両の社会受容性および事業性の検証。
ダイナミックマップ基盤、東京海上日動火災保険、ソフトバンク除雪支援システム実証実験

自治体、雪害

2022年1月

高度な除雪支援システムを廉価で提供
高精度3次元地図を利用した除雪支援システムの実証実験を長野県飯山市において実施した。ソフトバンクが提供する高精度測位サービス「ichimill」の「GNSS受信機」と「GNSSアンテナ」、画面表示用の「タブレット」だけと特別な機器などは必要なく、高精度3次元地図データもリアルタイムかつオンラインでやり取りするため、データ更新などの煩わしい作業も必要ない。自動運転向けに整備した高精度3次元地図データを流用し、且つシンプルな構成とすることで安価な運用コストで最新技術を利用できるシステムとなっている。高精度3次元地図の技術だけではなく、RTK測位と呼ばれる相対測位の手法を用い、数cmレベルの正確な自己位置推定を実現している。
損害保険ジャパン、電脳交通、第一交通産業安全運転支援ソリューションに関する実証実験

運輸、車両

2022年1月

損害保険会社の持つビッグデータを安全運転に適用
損保ジャパンが保有する交通事故データと、電脳交通が提供するクラウド型タクシー配車システムを連携させた新たな安全運転支援ソリューションを第一交通グループのタクシー車両に導入し、交通事故防止の効果等を検証する実証実験を共同で開始した。損保ジャパンが保有する交通事故データを加工して事故多発地点統計データを作成し、そのデータを電脳交通のクラウド型タクシー配車システムに連携して、配車タブレット上に表示させ、第一交通グループのタクシー車両522台に順次設置し、通常のタクシー運行を行う。タクシー車両が、配車システムに登録されている事故多発地点周辺を通りかかると、注意喚起を促すアラート音が流れる。